山田研究室yamada Lab.

教授山田 秀 / Shu Yamada

研究の概要

製品、サービスの品質の向上による顧客満足の獲得方法、総合的品質管理、技術開発を統計的に支援する実験計画法、顧客要求探索や不具合未然防止のためのデータ解析方法と実践について研究しています。研究の根幹には、データによる的確な現実の把握と、それに基づく論理的判断、創造があります。

担当講義科目

管理工学輪講、卒業研究、管理工学実験・演習5、管理工学基礎演習Ⅰ、統計解析、応用統計学、総合的品質管理特論、応用実験計画法特論

研究の特徴

山田研究室では、事実をデータで集約し、意思決定や創造を助ける方法と実践について、主に、顧客への製品・サービスによる価値の提供を対象として研究しています。研究の中核には「データで語る」があり、これを具現化した代表的なものが下記の3つです。

①技術開発を助けるデータの収集と解析

データを計画的に収集して解析するための方法が実験計画法であり、近年はコンピュータシミュレーションへの適用など、様々な開発が望まれています。実際の技術開発例や、模擬的なシミュレータをもとに、データ収集の方法や解析方法を研究しています。IC製造におけるワイヤー接続の生産技術開発例のような応用方法の研究や、過飽和実験計画の数理的な最適性の検討など数理的側面に踏み込む研究もあります。

②データ解析の応用事例と方法の開発

対象とするデータには、医薬品の投与と経過状況、製品事故データ、営業での店舗別顧客情報、脳の測定情報などがさまざまなものあり、これらを解析し、患者との対応、製品設計、営業戦略策定などに役立つ情報を導きます。データ解析をとおして新たな知見を導く研究もあれば、データ解析の新たな方法を開発する研究もあります。データの形態は開発、設計、生産、営業関連などさまざまで、市場での顧客の声、製品使用状況、などの大量なデータも含まれます。

③マネジメントの仕組みの構築

企業が顧客に製品・サービスをとおして価値を提供するには、企画、開発、設計、生産、提供、営業、流通部門などがそれぞれの役割に応じて活動する必要があり、そのためには活動実態をデータで測定し、論理的に判断し、必要に応じて改善する必要があります。特定製品の品質改善事例、品質マネジメントの国際規格ISO 9001の応用に関する研究、品質マネジメントのしくみや導入に関連する研究などがあります。

企業との共同研究

  • マネジメントシステム認証の社会における活用実態調査
  • バナナの栽培のデータ収集と解析に関する研究
  • インターナショナルスクールにおけるクオリティマネジメント

教育目標・方針

データサイエンスの効果的な実践には、対象の理解、情報機器の活用、統計的なデータ処理の3つを有機的に結合できるかどうかがカギになります。管理工学科は、経営、経済、人間、数理モデルなどにより対象を記述する方法、プログラミング、言語、画像処理などの情報機器の活用、統計的手法によるデータ解析などが教育プログラムに組み込まれ、データサイエンスに適した学科です。この管理工学科のつよみを生かし、当研究室では、経営、経済、人間、数理、情報と連携しながら、自律的、論理的に事実をデータで収集し、それを分析し論理的に判断を下す能力の育成を目指しています。

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