教育プログラムPROGRAM

逆T字型教育プログラム

管理工学科は、①視野の広い技術者養成をめざす多角的な科目編成、
②学生の自主的勉学態度の涵養を理念として、「逆T字型」技術者、つまり底辺は幅広く、
かつ特定分野において造詣の深い管理技術者の育成を目指してカリキュラムを設定しています。

逆T字型教育プログラム

1. 問題解決のためのアプローチ、手法、技術の基礎教育

AI(Artificial Intelligence:人工知能)、データサイエンス、ビッグデータ解析、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)、フィンテックなど管理工学科に関係するコンセプト、キーワードが今後益々重要になることが予想され、それを支える人材が必要とされています。一方で、これからますます発展する社会においては、どのような時代にも対応できる人材となるためには、理工学の基礎的素養をバックボーンとし、論理的な思考のための基礎を身につけ、同時に問題解決に必要な原理・原則を学び、道具として用いる手法、技術を修得することが必要です。具体的には、管理工学科の基礎をなす数理的手法、統計的手法、情報処理技術の基礎および、様々な問題を解決するためのアプローチについてじっくり学びます。管理工学の基本科目群である特別指定選択科目(12科目)とともに、十分な時間をかけて行われる演習、実験、実習等を通して体得します。

2. 管理工学の諸領域

履修科目一覧からもうかがえるように、情報科学、統計学、オペレーションズ・リサーチ、経営・経済、人間工学、インダストリアル・エンジニアリングが管理工学を形成する領域です。各領域の科目は階層的に配置されており、2年生では専門基礎科目でそれぞれの領域の基礎を、3・4年生では学科専門科目でより深く学び、理解することができます。
初めのうちは、領域間の関連性は見えないかもしれませんが、徐々に有機的なつながりに気づくはずです。管理工学の扱う対象は、人間・機械系、生産システム、企業体といった規模のものから、交通システム、都市システム、金融システム、地球規模での経済や環境問題まで大変な広がりをもっています。時代の変化とともに、従来の学問の枠組みには収まりきれない、新たな対象をねらいとした領域も模索し、育ちつつあります。

3. 演習、実験等を通した実践的教育

演習、実験は、講義を聴き考えているだけでは得られない教育効果をもちます。管理工学科では、現実の中から問題を発見し、モデル化を行い、解決するというプロセスを体験する、複数の領域にまたがるテーマによる教育を工夫しています。実際に頭を働かせ、手を動かすことで、データ・情報の収集・分析力をつちかい、総合的判断力を養います。
また、エンジニアにとって、問題解決を図るためにデータ分析を行い、システムを実装しようとする際にコンピュータは必須の道具です。プログラミング教育、ソフトウェアの設計・アルゴリズムの構築について基礎的知識を身につけるだけでなく、管理工学における様々な問題を解決するために実践的に使えるように教育しています。

4. 特別指定選択科目制度

個々の学生の関心のあり方を尊重しながらも、幅広く管理工学の諸領域についても理解してもらうため、専門基礎科目のうち、12科目を特別指定選択科目に設定しています。この中から少なくとも10科目の単位を取得することが、卒業の要件となります。異質とも思えるいくつかの領域を組み合わせて学習することで、多面的思考が可能となります。

5. 幅広い視野づくりをめざした広範な科目群

2年生では専門基礎科目で管理工学の諸領域の基礎を学び、3・4年生では学科専門科目でそれらをより深く学びます。ただし、学科専門科目においても引き続き、深いレベルで多面的思考を行うために、4つの教育領域(システムと人間、情報科学と人工知能、応用統計と最適化、経営と経済)のそれぞれの科目群から少なくとも2科目の単位を取得することが、卒業の要件となります。卒業研究での総合化に向けて幅広く、より厚みのある底辺を持つ「逆T字型」技術者になるための準備をします。
また、問題を発見、定式化し解決するためには、システムの構成要素となる人間についての理解が必要です。さらに、問題の背景を知り大局的な判断を下すためには、様々な組織体および社会についての知識も必要になります。そのために、心理学、経済学、ファイナンス、会計学、人間の問題解決過程等の分野について、工学的視点から整理された基礎知識も修得します。
さらに、外部から招く実務家による講義もあり、大学における学びと社会での実践が結びつけられるような教育も目指しています。

6. 卒業研究での総合化

4年生になると、全員が研究室に所属し、輪講で研鑽を積むとともに、卒業研究で各自で興味を持った問題に取り組みます。卒業研究は、理論的研究や実験的研究、フィールド調査によるもの等さまざまですが、それまでに修得したアプローチの仕方、手法、技術等を総合的に駆使して、よりレベルの高い研究成果をあげられるように、努力します。3年生までの学びを生かし、4年生での研究活動に取り組むことによって、底辺は幅広く、かつ特定分野において造詣の深い「逆T字型」管理技術者になることを目指します。

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