役職:教授
居室:25-615B
email:ken1tnk(at)ae.keio.ac.jp
教員プロフィール:
https://www.st.keio.ac.jp/tprofile/ae/tanaka.html
研究者情報データベース:
https://k-ris.keio.ac.jp/html/100011492_ja.html
社会システムモデリング、都市工学、空間データ解析、オペレーションズ・リサーチ、システム最適化
「社会システムのモデリングと最適化」が当研究室のキーワードです。オペレーションズ・リサーチの手法を土台に、社会の諸課題に対して数理モデルを構築し、問題解決を図ることを目指しています。最適化手法を用いた都市インフラの設計、公共システムの評価・分析・設計、空間データ・流動データの解析と可視化、「流域」に着目した都市計画・空間解析などの幅広いテーマを取り上げ、数理モデル開発と現実問題への応用の両面から研究を進めています。
管理工学輪講、卒業研究、管理工学実験・演習4、管理工学基礎演習Ⅱ、管理工学概論、オペレーションズ・リサーチ第一、オペレーションズ・リサーチ第二、オペレーションズ・リサーチ特論
都市には、郵便局、学校、消防署や、鉄道駅やバス停など、数多くの施設が存在します。対象地域において、こうした施設の最適な位置を決定する問題が施設配置問題です。当研究室では、時間の流れを考慮した施設配置問題(図1)、移動途中の立ち寄り行動に着目した施設配置問題、鉄道網上の駅に施設を配置する問題などに着目し、新しい数理モデルの開発と現実問題への応用を進めています。また、道路網・鉄道網・上下水道などのネットワーク型インフラの評価手法の開発や、最適形状の追求などにも積極的に取り組んでいます。
図1:時間軸を導入した施設配置問題の一般化
オペレーションズ・リサーチの手法や考え方は、社会や都市における公共的なサービスを設計する際にも大いに活躍します。児童の安全な登下校経路の設計問題、火山噴火時の避難施設の配置問題、人口減少時代のインフラの維持・管理問題、複数の移動パターンを考慮した空間分割問題、歩行者数を最大化する都市形状の決定問題といった、これまであまり数理的に追求されてこなかった問題に対しても、新しい展開を目指して研究を進めています。
近年、地理的な情報をもつデータや、人や物の流れに関わるデータが様々な形で収集・整備されており、一般にも数多く公開されています。こうしたデータの解析手法や可視化手法を研究しています。線形代数学、非線形最適化、整数最適化、ネットワーク最適化等に立脚した数理モデルを構築することで、データのもつ特性を明らかにし、有益な情報を引き出すことを目標としています。
「流域」は大地に降った雨が川にそそぐ地理的範囲を意味する重要なキーワードです。都市計画や防災計画などは主に自治体単位で計画されますが、自然の造形である「流域」という視点の重要性も指摘されています。人口や、土地利用や標高のデータ、道路網や鉄道網などの交通インフラ、河川のネットワークや遊水地の配置等の情報をもとにして、流域のもつ特性を分析・可視化する手法の開発を進めています。都市インフラの導入効果や望ましい整備方法を議論する際も、「流域」との関連を意識した数理モデル開発を目標としています。
社会の諸問題に対し、数理モデルの開発や実データの分析を通じて、問題解決のための道筋を描き、具体的な提案を行うことができる人材の育成が目標です。そのために、研究テーマの発掘、数理モデルの構築、得られた知見の提示、という一連のプロセスを、学生が主体的に行うことを重視しています。研究テーマは、都市・建築空間に関わる数理モデル開発や交通ネットワークの設計・評価から、学校選択やスポーツに関するモデル分析など多岐にわたっています。学生との共同研究の成果を、国内外に発信していくことも積極的に進めています。