栗原研究室kurihara Lab.

教授栗原 聡 / Satoshi Kurihara

研究の概要

今後の超少子高齢化社会を支え、国策であるSciety5.0を社会に浸透させるには、人と共生できる汎用型・自律型AIの実現が急務です。人がAIに対して親近感や安心感を感じ、AIが能動的に人との間合いや人への気配りを行い、人とAIとの間での一体感を構築できることが重要となります。そのために、群知能、創発メカニズム、複雑ネットワーク、アンビエント情報基盤等を主軸とした、AI版のOSであるAIOS(Cognitive Reactor /Neural Reactor)の構築を目指しています。

担当講義科目

管理工学輪講、卒業研究、管理工学実験・演習3、人工知能と複雑ネットワーク、知能アーキテクチャデザイン、プログラミング言語、オープンシステムマネジメント同演習

研究の特徴

2025年問題として懸念される超少子高齢化社会を迎える日本における、労働力補填に始まり、介護・障害者支援・日常生活円滑化といった重要課題を解決するために、人をサポートする共生AIシステムの具体的な社会実装・サービス化を目的として様々な角度から研究を進めています。誰もが・いつでも・何処でもAIシステムの恩恵を享受できる「人と共生AIとIoTによるエコシステム」の実現を目指しています。

①汎用型・自律型AIアーキテクチャ構築

人と共生できる、高い汎用性と適用性のある認知アーキテクチャを実現させるため、様々な自律性を持つサブ認知モジュール群を、複雑ネットワーク型で接続されたマルチエージェントアキテクチャとして実現させるべく、様々な角度から研究に取り組んでいます。その中核となる、メタ目的を恒常的に達成させる「即応性」と「熟考性」を両立させた適応性の高いメタプランニングシステムの構築に向けた研究を行っています。

②自律分散型交通信号機制御システム構築

マルチエージェントアーキテクチャ(自律分散化型アーキテクチャ)は、大規模複雑システムの構築においても極めて有用であり、その代表である、次世代道路交通システムにおける信号機制御をマルチエージェントアーキテクチャとして実現させるべく研究を進めています。

③時系列データマイニング

Society5.0 や共生AIシステムの社会実装を進めるためには、現実世界の様々な情報をセンシングすることが必要不可欠であり、得られるデータは超多次元時系列データとなります。しかし、このようなデータから有用な知見を抽出する手法はまだ発展途上であり、多次元データを色相空間上にマッピングして学習に利用する方法や、群知能を適用した手法などの研究を行っています。

④AIによる自動シナリオ生成

現在、ドラマ・映画に加え、世界的にゲーム市場が拡大しており、シナリオの供給が間に合わない状況となりつつあります。そこで、ライターの負担軽減という観点から、シナリオ自動生成システムを開発中です。従来研究では、完成したシナリオを出力することに主眼が置かれていますが、ストーリーの破綻を避ける必要から自由度が少なく多様性が失われる問題がありました。そこで、シナリオの構造的特徴に着目し、段階的にシナリオを複雑化し生成していく手法を開発中です。

共同研究パートナーなど

経産省(NEDO), 文科省(JSPS)、ホンダ技研、オムロン、TOYOTA、コムシス情報システムオルツ、ネットワンシステムズ、エッジワークス、等

教育目標・方針

しっかりした基礎教育の上に、十分な議論を通した研究テーマ設定と自主性を重視した研究進捗管理、そして積極的な対外発表を通したプレゼン能力・議論能力の鍛錬が基本的な姿勢です。対外発表の場を通しての積極的な人的ネットワークの構築も重要です。積極的に他分野コミュニティとの橋渡しを行うことをよしとする人材を育成したいと考えます。橋渡しをすることで新しいネットワークが構築され、新しい展開が生まれます。この橋渡し力は、人間関係の希薄化が加速することが多いに予想される今後の日本社会において、特に重要な能力です。

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