役職:教授
居室:24-619B
email:miwa_nakanishi (at) ae.keio.ac.jp
教員プロフィール:
https://www.st.keio.ac.jp/tprofile/ae/nakanishi.html
研究者情報データベース:
https://k-ris.keio.ac.jp/Profiles/201/0020061/profile.html
人間工学/ヒューマンファクターズ、SMS(Safety Management System)、ユーザエクスペリエンス
人間工学/ヒューマンファクターズは、工学分野に属しながら人そのもの(体だけでなく心も、個人だけでなく集団、組織も)を研究対象とできる、魅力的な学問領域です。私たちの研究室では、あらゆるモノ・コトの原点に人間特性を置くこと、その価値を共通のphilosophyとして、1)従来、直接的に観察したり測定したりすることが難しいとされていた人間特性(身体・認知・心理)の解明、2)それらに基づいてモノ・コトを最適化するための手法・モデルの構築、さらに、3)それらの手法・モデルの現実適用による新たな製品やサービスの創出及び管理手法の提案、を人間工学/ヒューマンファクターズの視点から行っています。
現在、研究テーマは、大きく分けて2系統あります。一つは、UX(User Experience)に関する研究です。自動車メーカーや家電メーカー等と協働しながら、これまで工学において扱うことの難しかった人間特性に着目して、理想は何か、また理想を叶えるデザインをどう実現するか、を追究しています。もう一つは、Safety-IIに関する研究テーマです。航空をはじめとする安全で安定したサービス提供が求められる社会技術システムにおいて、従来の保護的安全の考え方(Safety-I)とは全く異なる生産的安全の考え方(Safety-II)の観点で、現場を支援する管理手法の開発に取り組んでいます。
具体的に、現在どのような研究テーマに挑んでいるのか、またこれまでの研究成果にどのようなものがあるのかについては、オリジナルのHPに詳しく記載していますので、そちらをご覧ください。
管理工学実験・演習1、人間工学Ⅰ(旧ヒューマンファクターズ)、人間工学Ⅳ(旧計量心理学)、人間工学特論Ⅰ(旧ヒューマンファクターズ特論)、管理工学概論、複合領域の理工学入門
私たちの研究室の強みは、研究の本質的な目的と意義に沿って自前でデータを取得すること、そしてそれらを適切な手法を用いて分析することです。現代において検討しなければならない人間特性は、どれもアリモノの物差しで測定できるものではありません。ユーザの購買動機もモノに対する愛着も、パイロットや管制官の臨機な意思決定も、その特性を測る指標など与えられてはいません。目的に適ったデータを得るためのシミュレータを構築して被験者実験を通して生身の人間のデータを得たり、スマホアプリを実装・公開して現実のユーザやワーカーに対する大規模調査を独自の項目設定で行ったりし、さらにデータの特性に見合った手法による分析を行うことで、真なる人間特性を知り現実的な結論を導出することに努めています。
このようなことが実現できるのは、私たちの研究室が、人間工学/ヒューマンファクターズの基礎知識・基礎技術だけでなく、統計、数理モデリング、AIを含む高度プログラミング、またヒトの生理反応計測を含む実験技法、さらには経済・経営の観点での現実的なものの考え方をバランスよく高いレベルで学ぶ管理工学科にあるからこそと考えています。
例年、大学院生(博士課程・修士課程)が複数在籍し、学部生(4年生)と合わせて15名程度の戦力で研究活動を進めています。研究テーマは1人1テーマで進めますが、それぞれがそれぞれに得意な領域を持ち、互いに教え合い、知識とスキルをシェアし合って、全員で全員の研究をよりレベルの高いものにすることを目指しています。研究室は、学生同士が研究を通してたくさんの時間を共に過ごし、信頼し合い高め合って、生涯の財産となる最高の仲間を得る場であってほしいと願っています。
総合電機メーカー、自動車メーカー、自動車関連製品メーカー、その他行政機関など。
詳しくは、オリジナルのHPをご覧ください。